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日本食物繊維研究会 第8回学術集会の御案内

第8回学術集会長  (株)大塚製薬工場 郡 英明

 現在,食物繊維の領域で直面している大きな問題は「定義」と「分析方法」だと思います。食物繊維の研究が始まって30年以上が経過した今でも「食物繊維とは?」という簡単な問いに答えることができない。Trowell (1972)による定義も,その後の試みも多くの知見が増えたにもかかわらず,十分には答えられない。グローバルスタンダードとして世界にどう答えていくか,我々の大きな課題であると考えます。
 今日の食物繊維の概念は1970年頃の食事内容と様々な疾患を関連づけた研究の結果です。この頃までは日本人の食事内容はまだまだ貧しく,いかに良質の栄養を摂取するかが課題でした。1970年代後半になって飽食の時代を迎え栄養過剰が問題となりました。それまでは栄養学的には全く役に立たないと考えられ,排除されていた難消化性成分が有用な成分として取り上げられるようになりました。短期間にこれほどの価値観の逆転現象は嘗てなかったことです。これら研究成果を社会に還元することに,この研究会が果たした役割は小さくなかったと思っています。人々の多様化した価値観とますます変化する食生活に答えるためにも食物繊維研究会の果たすべき役割は大きい。
 今回の学術集会では米国ノースダコタ州立大学のGordon教授を迎えての特別講演とシンポジウムI「摂食・嚥下障害の介護食品・食事の現状と開発について」において,才藤教授(藤田保健衛生大)に摂食・嚥下障害の生理について基調講演を頂き,食物繊維の応用を含めて考えたいと思います。シンポジウムII「機能性食品の評価−特定保健用食品からグローバルスタンダードへ−」では,食物繊維の機能評価やヒトでの評価法の現状と問題点,さらに最新のPass Claim(欧州連合の機能性食品評価プロジェクト)情報やCODEX委員会におけるグローバルスタンダードへの展開について論議したいと企画しました。さらに,食物繊維から始まり,世界に発信した機能性食品の将来について考えたいと思います。
 また,毎年開催の公開講演会は11月22 日(土)午後,同じ会場で予定しております。徳島県は糖尿病による死亡率(人口10万人対)全国一位が続いています。徳島県民にとって糖尿病予防と対策は大きな課題となっているので,「食物繊維と糖尿病」を取り上げることにしました。

1. 第8回学術集会開催のご案内
 本年の日本食物繊維研究会第8回学術集会を(株)大塚製薬工場・郡 英明氏を学術集会会長とし,関係諸先生のお世話により下記の通りに開催します。会員多数のご参加と食物繊維をはじめとする難消化性糖類周辺の幅広い分野からの演題申込を期待します。
 なお,詳細につきましては研究会誌第7巻1号にてお知らせいたします。
1)
日 時: 平成15年11月21日(金),22日(土)
2)
場 所: 阿波観光ホテル
〒770-0833 徳島市一番町3-16-3
Tel:088-622-5161 Fax:088-622-2857
3)
スケジュール
   第一日目11月21日(金)
午前:
一般演題発表,評議員会・総会
午後:
Gordon教授(ノースダコタ州立大学)特別講演
"The role of food chemicals in human nutrition, bodily functions and health"
シンポジウムI 摂食・燕下傷害介護食品・食事の現状と開発
   第二日目11月22日(土)
午前:
一般演題発表
シンポジウムII 機能性食品の評価−特定保健用食品からグローバルスタンダードへ−
午後:
市民公開講演会 食物繊維と生活習慣病−特に糖尿病(仮)−
4)
講演および討論
   発表はスライドプロジェクター,Power Point(Windows,Macintosh),OHPを用意致します。
5)
学術集会受付
   受付は開始30分前より行います。参加費・会場費(講演要旨集込み)として,正会員 3,000円,学生会員 1,500円,非会員 4,000円を申し受けます。
6)
呼び出し,クローク,昼食,宿泊等の手配など
  ●ホテルのクロークをご利用下さい。
  ●昼食弁当等は用意致しませんので近くのレストランをご利用下さい。
  ●駐車場は限りがありますので,できるだけ公共の乗り物をご利用下さい。
7)
学術集会会場への交通案内
  徳島空港より車で20分(JR徳島駅までバスあり),JR徳島駅より徒歩1分。
2. 一般演題申込要領
1)
申込期限
   平成15年9月19日(金)必着のこと
2)
申込先およびお問い合わせ先
   日本食物繊維研究会第8回学術集会事務局
  〒101-8535 東京都千代田区神田司町2-9  
  大塚製薬株式会社製品部 第8回学術集会事務局
  児玉 健嗣 宛 
  TEL:03-3293-0822 FAX:03-3295-7508 
  E-mail:kodamak@tky.otsuka.co.jp
3)
講演要旨作成にあたって
  ●講演要旨作成要領の詳細については研究会誌第7巻1号にてお知らせします。
  ●講演要旨原稿はB5サイズ2頁(B4サイズで見開き1頁になる)の予定です。
  ●講演要旨原稿は印刷物とフロッピーを送付いただく予定です。
4)
その他
  ●発表者のうち1名以上は本研究会会員であることが必要です。
  ●演題の採否,講演日時等はプログラム委員会にお任せください。
   プログラムは学術集会前に届くよう発送の予定です。