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第29回学術集会を開催するにあたって

 日本食物繊維学会第 29 回学術集会を,令和 6 年 11 月 30 日(土)と 12 月 1 日(日)の2日間,千葉県松戸市の千葉大学園芸学部・松戸キャンパスにて開催いたします。昨年の学術集会は愛媛県(集会長:岸田太郎先生)で開催されましたので,今年は関東での開催となりました。松戸キャンパスは,東京駅や上野駅からのアクセスもよく,2023 年放送の NHK 朝ドラマ「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者・牧野富太郎博士はかつてここで教鞭をとっておられました。図書館では博士の出版された書籍や雑誌を直接閲覧することができます。また,隣接して戸定邸庭園(水戸藩第 11 代藩主・徳川昭武が建てた国指定名勝庭園)もございます。会員の皆様をはじめ多くの方々にこの機会にお越しいただければ幸いに存じます。
 今回は「腸内細菌研究の最前線とプレシジョン栄養学」というテーマでシンポジウムを企画いたしました。近年ルミナコイド素材による腸内細菌研究が国内外で盛んに行われております。また,「各個人のそのときの状態において最適な栄養を提案・実行するプレシジョン栄養学」(テーラーメイド栄養と同義)も世界的に注目されています。そこで,シンポジウムではこの分野でご活躍の 4 名の先生方にご講演いただく予定です。まず食品の機能性を研究する上で安全性は大変重要なため,食品安全委員会委員(遺伝子組換え食品等専門調査会)の児玉浩明先生(千葉大学)には「食品の品質・安全性を向上させるプロバイオティクス」と題してご講演いただきます。そして,プレシジョン栄養に関する研究は小田裕昭先生(名古屋大学)に「プレシジョン栄養学−データ駆動型個別化栄養学−」,腸内細菌に関する研究では,園山 慶先生(北海道大学)に「腸内細菌叢−宿主のクロストークを媒介するマイクロ RNA と食餌要因」,木村郁夫先生(京都大学)には「短鎖脂肪酸受容体を介した宿主代謝制御」と題してご講演いただく予定です。 
 市民公開講演会は,「腸内環境改善による生活習慣病予防〜食物繊維・レジスタントスターチの活用〜」をテーマとして,同じく千葉大学園芸学にて 12 月 1 日(日)午後に開催いたします。青江誠一郎先生(大妻女子大学)には「発酵性食物繊維の上手な摂取の仕方とその健康効果について」と題して,特別講演でご講演いただきます。その他,「食物繊維と脳腸相関」,「妊娠期の栄養による腸内細菌変化と次世代の生活習慣病」,「レジスタントスターチ」に関する講演もございます。多くの方々に学術集会および市民公開講演会にご参集いただきますようお願い申し上げます。

第29回学術集会長 江頭祐嘉合
(千葉大学大学院園芸学研究院)